バレンタインプロデュース本番当日に向けて、具体的に動きだしたわけですが、まずは、当日のシナリオ作りから始めることにしました。シナリオ担当は、みかピカとも繋がりのあるCATの元気印こと平嶋香代子。彼女の手によってストーリーが作り上げられました。そして、CATメンバーへのシナリオプレゼンの日。平嶋さんから渡されたシナリオのタイトルを見て、一瞬時間がとまりました。そのタイトルとは・・・
「愛と自立」
・・・何か80年代昼ドラマの香り漂うこのタイトル。広報用プロモーションビデオ編集の際にはきっと、イナズマや荒波がタイトルバックに出てくるんだろうなと思いつつ、平嶋さんもCATトニセンやからしょうがないかと妙に納得してしまいました。そう思っているうちにもプレゼンは進んでいきます。
「愛」とは、「中島くんお疲れ様でした。そしてありがとう」という感謝の気持ち。「自立」とは「村田さん、中村さん等現メンバーのカラーを出して、これからも川掃除をやっていきます」という気持ちの上での自立。この2つの気持ちを伝えようというのが主旨でした。
作戦決行日は2月27日(日)。この日は太宰府市中央公民館で太宰府市人権まつりが行われる日でもあります。中島くんが中学生時に川掃除を始めるきっかけとなった思い出のまつりでもあり、当日は、みかピカのみんなも人権まつり実行委員として参加するとのことで、この日に決まりました。
告白の舞台は中央公民館の裏にある「観世音寺大橋」。人権まつり終了後、みかピカのメンバーも合流。観世音寺大橋に中島くんを呼び出し、アントニオ猪木(中島くんが好きだから)の号令で、橋の下からみかピカとCATが、中島くんへのメッセージを書いたハート型のでっかいキャンバスを持って登場。そして、感謝と自立の気持ちを中島くんへ伝えるという、青春グラフィティ。爽やかすぎる・・・
CAT自体は、イベント終了後みかピカのみんなに記録ビデオをプレゼントするため、この模様を準備段階から撮影(CATのPR用ビデオ撮影も兼ねる)。また当日は、みかピカとの初コラボということもあり、川掃除を行った上で、告白の演出をし、イベント終了後はみかピカと交流会を開くということで話がまとまりました。
後日、みかピカメンバーの承諾も得、準備に取り掛かり始めました。
まずは、中島くんへのメッセージを伝えるキャンバス作りからスタート。担当は今年度採用のみんな。リーダーは社会人1年目で10年戦士の雰囲気を醸し出す 廣瀬光代。通称「おみっつあん」。時代劇のヒロインです。キャンバスは白いシーツを張り合わせて作ろうということで、おみっつあん早速シーツ集めに奔走しますが、これがなかなか集まらない。宿泊施設関係者や病院関係者に不要なシーツがないか確認しましたが、どこも余りはないとの返答。結局集まったシーツは4枚。しかもそのうちの1つは、何を勘違いしたかタオル地のものでした。でも、とりあえず作ってみようということで、張り合わせテープをまず購入。このテープを水に浸し、シーツとシーツの継ぎ目に置きます。そして、その上からアイロンで一気に熱をかけると、あら不思議!シーツとシーツがしっかり引っ付いているではありませんか。
こりゃおもろい、ということでがんがんアイロンをかけ、4枚のシーツはあっという間に1つとなったのです。しかし、実はこの時、畳の上でアイロンがけをしていたため、アイロンのかけすぎで、シーツと畳がひっついてしまうというアクシデントも・・・。場所は伏せておきますが、僕らの青春の証は、どこかに黒こげという形で残っています。
さて、1つになったシーツですが、大きさの違う4枚のシーツを合体させたため、いびつな形になっていましました。まずは、長方形にするため形を整えるのですが、標的になったのは、もちろんタオル地のシーツ。15/17ぐらいは切り取られてしまいました。哀れ。そして、長方形に整えた後、半分に折り、そこにハートの半分の形を下書き、はさみで切るという方法でやりました。切り取ったあと、半分に折っていたシーツを元に戻すと、きれいなハート型のキャンバスが完成しました。このキャンバス、今後はみかピカのみんなのメッセージが書かれていくわけですが、ある意味この時点で我々のメッセージも込めることができたかなと、ちょっと粋なことを思いニヒルに微笑んでしまいました。
ハート型は、石川発案のコードリールで作りました。キャンバスもでき、いよいよ今回の主役、みかピカのメンバーの出番がきました。ハート型のキャンバスへの筆入れの日、やって来たのは、村田さん・中村さん、そしてもう一人、みかピカ実行委員の佐藤くんでした。彼らは、キャンバスの上に中島くんへの労いの言葉と、みかピカのマスコットキャラクターである「みかピカ君」を描いていきました。絵や文字がキレイなのは、もちろんですが、傍から見ていてもしっかり気持ちが込められているのがわかりました。丹念に丹念に書き上げていきます。こんなに思われている中島くんは幸せ者だなあと正直思ったものでした。
さて、実はこの日からもう1つの作業が始まりました。それは、中島くんへのメッセージビデオの作成です。担当は、「現場100回」を信念に持つ男 山口 欽文 敏腕刑事。この敏腕刑事は、みかピカのメンバーを一人ずつ取調室(小さな会議室)へ連れて行き、無人ビデオの前で白状させるという、半ば強引な方法で撮影を行ったのでした。しかし、この方法みかピカのメンバーには好評だったようで、メッセージが伝えやすかったようです。
こうして、キャンバスへのメッセージ作成及びメッセージビデオの撮影は、この後数日にわたって、行われました。
さて、本番当日に向けて着々と準備が進む中、我々CATがやっていたことといえば、チラシ及び名刺作りでした。チラシは、人権まつりに参加するみかピカの展示会場に一緒においてもらえるということで、作成は我らが頼れるリーダー 江藤 応樹 代表が行うことになりました。また、イベント終了後、交流会もあるということでCAT及びみかピカ自身のデザインのもとでみかピカの名刺作りを、CATの天才ハカセ 木元 稔 テクニカルディレクターが行いました。また、当日他になにか演出できるものはないかなと考えていました。記録ビデオを撮影することもあり、絵的に映えるものはないかと、意見を出し合い、いくつかの案が出てきました。まずは、橋の下で告白する際に、花吹雪を撒く。ごみになるのでNG。同じく告白の際、しゃぼん玉を作る。洗剤で川が汚れるのでNG。ん〜、さすがにみんな意識が高い。そこで出たのが、川の両岸をひもで結び、そこに空き缶や聞かなくなったCD、田んぼによくある銀色のテープをくくりつけて演出してはどうだろうかという案でした。温泉街によくある川の両岸をひもでくくりつけ、その間にコイノボリを飾る、あれをイメージしたものでした。早速、ゴミ箱の中に眠る空き缶を取り出し、きれいにしました。続いて現場100回の精神に基づき、観世音寺大橋付近へ。きれいな月が輝く寒空の中、メジャーで両岸の長さを計ったり、当日の舞台現場を観察したりしました。(でも本当、現場に行かないとイメージがわかないもんですよ。さすが山口敏腕刑事!)翌日以降も空き缶集め、CD集めを行い、銀色のテープを準備しました。そして、最終的に集まった数、ざっとCD約15枚、空き缶約200本・・・と、とりあえずやるだけやってみようということで、ひもにある程度の間隔ごとに空き缶、銀テープ、CDをくくりつけてみました。その結果は・・・笑いさえでませんでした。この時本番2日前。ご苦労様でした。
本番を明日に控えた2月26日(土)、急遽みかピカと合同でリハーサルを行うことに決まりました。みかピカのみんなは人権まつりの準備もあって当日参加予定の5人(村田さん、中村さん、久森くん、大山くん、鈴木くん)全員が出席、対して、CATは当日いきなりの集合ということもあり3人のみの出席になりました。しかし、この3人のうちの1人はCATの影の実力者 映像の魔術師こと 小林 一成 カメラマンが来てくれたこともあり、リハーサルは順調に進むのであります。
まず、当日はカメラ3台で撮影することを説明し、それぞれの視点から捉えた絵コンテをもとにイメージの共有化を図りました。その後、舞台現場の観世音寺大橋まで行き、実際川岸まで降りて、小林カメラマンの指導のもと、立ち位置まで決めたのでした。(うーん 本格的。)そして、シナリオの最終確認を行い現場を後にしました。この後、みかピカの5人は中島くんへの告白の練習のため、大宰府政庁跡へ消えていきました。みんな、とにかく本気です。隣で無邪気にカメラで遊ぶ小林カメラマンの姿とみかピカのみんなの背中を見ながら、期待に応えねばと気を引き締めると同時に、俺ら大丈夫かいなという不安も大きくなってきました。
小林カメラマン:お疲れ様でした。
とはいえ、時間は止まってくれません。この後、いよいよ当日、感動(!?)のクライマックスへ突入です。
つづく