2004年12月25日・・街はクリスマス一色で、多くの人々で賑わうこの日。いつもは静かな福岡県太宰府市の大宰府政庁跡に、突然変なドームが姿を現しました。
スタードームはもともと、北九州大学で活動されている野研があちこちで建てているもので、とあるイベントで建てられていたものを見て、これは面白いということで、ぜひCATでも作ってみようということになったものです。当日、野研の皆様も駆けつけていただきました。本当にありがとうございました。
計算を間違えた3メートルドーム
12月25日14時、作業開始です。今回は直径3mと6mの2基のドームを建てることになっています。
骨組みになる竹や屋根になる天幕を保管場所から持ってくる間に、残っているリーダーがまず紙で見本のミニチュア*1を作ろうとしたのですが、強風のため断念。ドームの中で飲む酒や暖房器具は揃っているのに肝心の竹が到着しません。この日のためにお揃いで作ったトレーナーですら寒さをしのぐことができません。早く届け竹!!!と祈っているうちに材料と道具が到着*2。祈りが天に通じたようです。ミニチュアを断念したので、ぶっつけ本番!実行あるのみ!という結論に達し、とにもかくにも準備に取り掛かることになりました。まずは竹を並べて糸を通すための穴を開けて*3いきます。
竹はたくさんありますから大変です。竹を運び、並べ、長さを測り印をつけ、ドリルで穴を開けていきます。ちなみに大宰府政庁跡はこんなに広い*4ところなんですよ。散歩したり花見をしたり紙飛行機を飛ばしたりいろんな人がこの広い政庁跡には訪れます。このページをごらんになっているあなたもぜひ一度お越しください。
野研の方がドームの模型*5を持ってきてくれました。これを参考にして作業スタート。まずは3メートルのドームを建てます。まずは大元になる竹を星型に組んでいきます。組む順番が決まっているので慎重に・・・みんな始めての作業なので戸惑いながら*6進めました。
組みあがった竹をドーム状に持ち上げます。そして足の部分をロープに差込み、仮組みしていきます。竹が分厚かったため、うまくしならず苦労しました。なかなか思い通りの形に組みあがってくれません。やはりこの竹は幅が広すぎた*7ようです。3メートルドームには、写真の竹の半分の幅くらいがちょうど良いようです。
しかし、今さら竹の幅を変更するわけにも行かないので(日が暮れてしまいます)、足の部分を糸で結ぼうとしていますが、竹の幅が厚いためしなりが悪く、思い通りの形になってくれません。右側の写真が5人がかり*8で竹をまとめようとしているところです。微調整をしながらなんとかドームを組み上げていきました。ところが微調整どころの騒ぎではなく、たった10cmの計算違いで大きな歪みが発生しました。ドーム下部を繋ぐロープの結び目が10cmずつずれていたので合計で1mのズレが…。慌てて別のロープを使って修正しました。計算は正確にしましょう。
持ち上げたドームに、数本の竹を編みこんで骨組み*9を作ったのがこの写真です。天幕をかけて完成*10です。天幕は布で作ることが一般的なようですが、そんな布もなく、作業量が増えることを懸念したので今回はエアーキャップ(よくせんべいの箱の中に入っているプチプチがついたビニールです。暇つぶしに最適!)を使用しました。やっぱり3メートルドームは小さいです。中に入って見ましたが立ち上がることができませんでした。
宴の会場となる6メートルドーム
いよいよ本命の6メートルドーム*11を作ります。日が暮れてきたので野研のみなさんにも手伝っていただきました。さすが慣れていらっしゃるだけあって、的確な指示が飛びます。まず、竹を順番に並べて*12いきます。並べ終わったら、麻紐を使ってしっかり結びけていきます。しかしこの麻紐が思ったよりも強度が弱く、あちらこちらで「切れた!」という悲鳴が。非常時の予備に買っておいた綴じ紐が威力を発揮しました。解体する時に面倒なことになろうとはこのときは考えていません。
結び終わったら5人がかりで骨組みを持ち上げ*13、ドーム状にしていきます。先ほどの3メートルドームと比べて、かなり大きいことがお分かりいただけるかと思います。さてここで問題です!半径の長さが2倍になると体積は何倍になるでしょうか?………球の体積Vは4πr3/3ですから…なんと8倍!3メートルドーム8個分だなんて信じられないですけど、確かに大きいです。野研のみなさんの協力でみるみるうちにドームが形作られて*14いきます。CATだけですいすい建てられるようにするのが今後の課題ですかね?
作業風景を少し離れて*15撮影してみました。決してサボっているわけではありません。写真を撮るのも仕事のひとつなのです。隣にあるのは先に作った3メートルドーム。写真ではわかりにくいかもしれませんがかなり大きさが違います。ついでに作業中の6メートルドームの中に入って骨組み*16を撮影。星型に編まれているのがお分かりいただけるでしょうか?ついでに空が茜色です。もう日が暮れそうです。なんとかぎりぎり日没までにはドームが組み立てられました。
次に天幕*17をかけていきます。先ほどの3メートルドームに比べてひときわ大きいので一苦労です。肩車をして、脚立も動員してなんとか天幕をかぶせます。布だったらもう少し簡単だったのでしょうか。天幕はビニールなどでも作ることができるようです。夏には蚊帳みたいな布を使うのもいいかも知れませんね。天幕を張り終えて完成*18です。
少しアップ*19で撮影。中では宴の準備が着々と進められています。ドームを組み立てるよりも作業が早かったのは気のせいでしょうか。
月夜のドームで宴
ちょうどこの日は、月が綺麗にでていました。月明かりの中、大小二つのスタードーム*20が並びます。
中はこんな感じ*21。今回は畳を敷いて宴を催します。暖房がついていないので、みんな寒そうです・・・。
日が完全に落ちてあたりが暗くなると、こんな感じ。相当目立ちます*22。史跡地ということで、周囲に明かりがないためかなり目立ちます。散歩に来ていた一般の方も遠巻きにこちらを見ています。外に出て行くと『何ですかこれは?』*23と質問攻めにあいました。
月夜のスタードーム*24・・・なかなか美しいです。
エアーキャップを使っているので、月明かりも透けて*25見えます。なかなか良い感じでした。
というわけで、CAT初のイベント?である『クリスマス・スタードーム』は終了しました。スタードームには、およそ50名の方に来ていただきました。また、たくさんの人がスタードームに興味を持っていただいたようです。事前告知の少ない状態で、半ばゲリラ的に(ちゃんと許可は取ってますが)実行した今回の企画でしたが、たくさんの人の印象に残こるものになったと思います。またどこかでスタードームを建てて、何か楽しいことをしていきたいと思っています。来ていただいたみなさん、本当にありがとうございました。
【文責:木元】